ペナントレースの天王山。敵チームのしぶとい5番打者に対して、酢飯ブレーブスの捕手・塚本が投手に出したサインは、外角低めのトロ。しかし、エースナンバーをつけた浅利は首を振る。自らの決め球である、カッパ巻きに拘泥していたのだ。
「なんで僕ら、忌み嫌われるようになったんやろ?」。四〇ワットの裸電球が明滅する小部屋で、卓袱台を囲み対峙するナメクジ、ゼニゴケ、カマドウマ、ゴキブリ。虐げられたものたちの悲哀を描いた掌編。ショートショート【噴飯食堂】シリーズです。
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