好きであるからこそ、ぼくはカキフライへの思いを誰にも打ち明けなかった。カキフライは、大切な心の友であり一途に愛する人であった。
「北朝鮮をイメージアップさせる広告を考えろ!」と泥酔したクリエイティブディレクターのH氏は言った。「これは究極の思考実験や。アウェイなものを、いかにメインストリームにブチ込むか。それが広告のダイナミズムやろ?」。そして悪夢のようなブレストの…
中嶋さん、あなたからのお荷物が届いた日、まさかこんなことになるとは思いもよりませんでした──凄絶な顛末をしたためた友人への一通の礼状。その中身をブログで公開いたします。
不意に腹立たしい思いが湧き上がってきた。今だから分かるのだけれど、あのとき父は完全に「イキっていた」。ちなみにイキる、というのは主に関西地方で使われる言葉で「意気がって調子に乗る」の意である。
フリーランスは自由だ。働く環境に縛られず、制服もない。通勤地獄に別れをつげ、孤独に親しみタフに生きる。世間からの冷たい仕打ちにも負けやしない。そんなフリーランスの生き方を称賛したいと思う。マジで。
2017 シュークリームで知られる「ビアードパパの作りたて工房」とのコラボ飲料「飲むシュークリーム」が発売された。既成概念を覆すシュークリーム味というのも驚きだが、発売元が「お茶づけ海苔」で知られる永谷園というのも面白い。マーケティングによ…
カレーが大好きだった故人・武彦さん。葬儀場で鉢合わせした彼の愛人と本妻による「カレー対決」が特設キッチンコロシアムで幕を開ける。生死の境をガチで彷徨った著者・武彦さんが描くドキュメント小説
日々アマゾンの荷物などを運ぶのに大変な某運送会社のドライバーさんをねぎらいたいと思った話です。
仕事に疲れてうどんぐらいしか食べる気がしないとき、明日への活力をチャージするのに最高の方法を見つけた。それが官能小説を読むという方法である。
博多では、ついにめんたいこが禁止された。日常の閉塞感からめんたいこがどうしてもやめられず、ついこっそりと食べてしまうカズノリは、その様子を覆面パトカーに発見されてしまう。尋問する警察官の声はどこかで聞き覚えのある声だった——。
CMというのは、なんちゅかこう、巨額のマネーが動いているのでありまして、そこにはスポンサーはもとより様々な人の様々な思惑が存在する。ただ、そのあたりをまるで分かっていないのがクソ素人のハセガワ君でありまして、新宿の安居酒屋にぼくを呼び出し…
過去の名人が残したすばらしいコピーライティングのアーカイブにふれて感ずるのは、「擬人化のテクニックって大事やん」、ということである。そのようなワザをぼくも駆使してみたいと常々思っていたところ、その願いが通じたのか近ごろ身の回りのものが自分…
ペナントレースの天王山。敵チームのしぶとい5番打者に対して、酢飯ブレーブスの捕手・塚本が投手に出したサインは、外角低めのトロ。しかし、エースナンバーをつけた浅利は首を振る。自らの決め球である、カッパ巻きに拘泥していたのだ。
「なんで僕ら、忌み嫌われるようになったんやろ?」。四〇ワットの裸電球が明滅する小部屋で、卓袱台を囲み対峙するナメクジ、ゼニゴケ、カマドウマ、ゴキブリ。虐げられたものたちの悲哀を描いた掌編。ショートショート【噴飯食堂】シリーズです。
コピーライターという仕事をしていながら、わたしは漢字に弱い。そのことが、ずっとバレなければいいなと思いながら毎日を過ごしている。ところが不意にそれが白日のもとにさらされてしまうことがある。すべては、小野妹子のせいである。
贈りものをすると、その何倍もの価値があるプレゼントなって返ってくる。そんな福の神のような人がいる。わが家では、彼のことを「わらしべおじさん」と呼んで崇めているのだ。
なぜ、わたしが外出している時間にかならず近所に変態が出没するのか。あらぬ疑いをかけられた、罪のないコピーライターの話です。
人間はだれしも『ウコン』という文字列を見たときに、まず最初に『ウンコ』と読んでいる。少なからず、先ず一度そう認識しているというのがわたしの持論である。
それなりに経験を積み、「いや〜、俺も成長したよね」などと調子に乗っていることへの罰を、おそらく神がお与えになったものだと思う。その日、都内のある高級住宅を取材で訪れたとき、わたしを出迎えてくれた奥様の両脇からワキ毛がワッサーと出ていた。
男というものは、いつでもモテたい。モテる方向と、モテない方向があれば、できればモテる方向に乗っかって行きたいと常々思っているものであり、それが高じて様々な悲劇を生み出してしまうものなのである。
政治資金の公私混同疑惑の発端となった舛添都知事の湯河原通い。どうにもまずかったのは、 「湯河原」という言葉があまりも「湯けむりのリゾート」というシズルを含んでいたことである。では、同じ文脈のなかで「湯河原」が別の名称であった場合、どのような…
だいたい、「ねぎま」という名前がよくわからない。なんだか猫だましのようなことばだと思いませんか。モモならモモ肉であり、ささみならささみ、手羽なら手羽先である。肉とネギを食するのに、「ねぎま」とはこれ如何に!?
その日わたしは便意の人であった。わたしは、常日頃からよいことがしたいと思っていたし、家族や友人たちとよろこびを分かちあいたいとも思っていたが、そのときはただうんこがしたいと思っていた。
大家さんからいただいたタケノコ、もう水煮してあるから(手間がはぶけて)パラダイスよ〜!という雑な感想については、さらりと聞き流していたのだけれど、そのあと、どれぐらいの数のタケノコをもらったのかというわたしの質問に対して、妻の「山のように…
わるいことをするやつなのに、「愉快犯」などとはこれまた愉快である。なんとなく、そんなにわるいやつじゃないんじゃないか、という気もする。たとえば、強盗犯。これはわるい。読んで文字のごとく、暴力や脅迫といった強引なやり口で盗みをはたらく輩であ…
とつぜん、このような写真を出してきてなんのつもりだと思われるかもしれないが、この鼻ノズルスプレーはわたしが愛用している『くしゃみ・鼻みず・鼻づまり スットノーズα点鼻薬』である。東戸塚駅西口のドラッグストアにて513円で買ったものだ。使い方…
デザイナーのピーター・オプスヴィック曰く、その椅子はただ座るだけのものではない。赤ちゃんから大人まで、すべての人が使えるものであり、子どもの身体をサポートし、安全を確保しつつ、自由に動いてまわりの人々とコミュニケーションできるようにデザイ…
ヒムロックとはなにか。それは、氷室とロックの融合。字面で見るとカッコいい。声に出すと、もっとカッコいい。声帯を滑り、のどからスッとぬける流線型のボディ。ロックの「ク」のあとに空間に残るウィスキーのような余韻。その芳醇な響きにうっとりとして…
“一流クリエイターたるキミは、情報を世界に発信していかなくてはいけない”そんなことをわたしに諭したのは、わたくしの中に棲む、シルバーのスーツを小粋に着こなすプレジデントである。ものぐさな自分は、ほえーと素っ頓狂な声をあげたあと、鼻くそをほじ…
クリエイターの定義とはなにか。そう問われれば、クールさである、とわたしはこたえる。なにせ、クリエイターと名乗るほどである。 クリエイターの仕事とはなにか。そう問われれば、クリエイティヴ、とわたしはこたえる。最後のブをあえてヴと書くことでさら…