噴飯食堂(ショート・ショート)
カレーが大好きだった故人・武彦さん。葬儀場で鉢合わせした彼の愛人と本妻による「カレー対決」が特設キッチンコロシアムで幕を開ける。生死の境をガチで彷徨った著者・武彦さんが描くドキュメント小説
博多では、ついにめんたいこが禁止された。日常の閉塞感からめんたいこがどうしてもやめられず、ついこっそりと食べてしまうカズノリは、その様子を覆面パトカーに発見されてしまう。尋問する警察官の声はどこかで聞き覚えのある声だった——。
ペナントレースの天王山。敵チームのしぶとい5番打者に対して、酢飯ブレーブスの捕手・塚本が投手に出したサインは、外角低めのトロ。しかし、エースナンバーをつけた浅利は首を振る。自らの決め球である、カッパ巻きに拘泥していたのだ。
「なんで僕ら、忌み嫌われるようになったんやろ?」。四〇ワットの裸電球が明滅する小部屋で、卓袱台を囲み対峙するナメクジ、ゼニゴケ、カマドウマ、ゴキブリ。虐げられたものたちの悲哀を描いた掌編。ショートショート【噴飯食堂】シリーズです。